「最初にお渡ししちゃいますね。バレンタインです♪」
ウォーキングレッスンの最終日。
こんなに綺麗なお花をいただきました!
嬉しい!嬉しい♪
お花を贈られると、なんでこんなに嬉しいんでしょうね。
バレンタインdayに、ベーシックウォーキングレッスンの最終日を迎えた彼女は、子供の頃のひどい怪我が原因で、ずっと左膝に違和感を感じていました。
自転車を漕ぐたびに膝がポキポキ鳴る。
とにかく動かすたびにポキポキ鳴ってしまう。
今回のレッスンの目的は、今のアンバランスな姿勢のままでは、おばあちゃんになった時にきっと歩けなくなると思ったから、とお話しされていました。
確かに、最初の姿勢チェックでは背中から傾いていて脚も内側に回転していたし、腕も肩から巻きこんでいたのです。
お膝自身もトラウマを抱えているようでした。
かばわれるのが当然と言った感じに、動きません。
歩くときは右足ばかりが頑張ってくれていて、体の各所も左をかばうようにするため、結果バランスが偏ってしまう。
ずっとそうしてきたせいで体も傾いているポジションが当たり前になってしまっていました。
ご本人も恐怖の記憶があって、すこし左足を過保護にしてしまって出来るだけ当たらず障らずで歩いていました。
ですが左の膝は、かなり前に治療も受けて完治しています。
もう普通に動けるはず。
だから左の膝を信じてみることから練習したのです。
まずは体重を任せること。
重心をしっかりと左足にのせて軸をとってみる。
ほら、もう大丈夫でしょ。出来るよ!と左足を勇気づけるのです。
それを繰り返すことで、次第に脳を説得し、体も新しい姿勢を認識してきます。
これが簡単じゃない。
新しい姿勢をカラダが受け容れるまでは、正しい姿勢に激しい違和感を感じるものです。
いつも使わないような体の動きをするので、とても疲れてダルくなるなんて良くあること。
姿勢を保ったまま、歩きがフラフラしなくなるまでは根気がいります。
ヘンな動きになってしまう!と焦ったり
思うように出来ない。
でも、それは正しい表現ではない。
出来ない、ではなく
もう少し練習が必要なだけ。
足りてないだけ。
しみ込むまで、やる。
根気がいるし、果てしなく感じる期間もあるけれど、
頑張ってやり続ければ必ず進展していきます。
いくら体がこの姿勢はいやだと言ってきても、出来る出来ると言い聞かせながら、自分のカラダに辛抱強く正しい動きをやらせるんです。
その時期はとてももどかしい思いをするけれど、大丈夫。
信じてとにかく楽な姿勢に戻らないように頑張るんです。
そんな風に始まったレッスン。
それが、今日は全く別人のように。
軸があって、しっかりと胴体から使えていて。
もう言うことなしでした。
レッスンではしっかりと毎回メモしながら。
カルテもしっかり目を通してくださって、ご自宅でも意識して少しずつ新しい姿勢に慣れていこうと頑張ってくれたんですよね。
今日のレッスンでの彼女のひとことが心から嬉しかったです。
もちろんウォーキングレッスンは治療ではありません。
今回だって治ったとは思っていません。
私は姿勢のトレーナーです。
当然、色々知ってはいるので専門的に考えて言葉を出すことは出来る。
でも私には体を動かしてあげられない。
常についてまわって気をつけてあげられない。
結局、直接的には何も出来ないのです。
頑張ったのは自分に他なりません。
体に優しい動きを練習していくと、本来カラダが自然に動くバランスの良さに近づくからダメージを生んでしまう事が減るのです。
その結果、負荷をかけ過ぎていたところは解放されて、カラダの部位一つ一つが協力し合って動けるようになるから心地よいバランスに感じられるようになる。
するとカラダは自然に本来したいことを出来るようになる。
それはとてもナチュラルな動作で機能的。
機能を兼ね備えたものは姿も美しいです。
治したわけではなくて、変な事をしなくて済むようになったという感じでしょうか。
いまは全体的なバランスも良くなって最高の状態でラストレッスンを終えられました。
ここまで出来たということは、日常の瞬間にも少しでも気を配り続けた結果でもあります。
頑張ってくださったことに、嬉しさと感動とが混ざりあいます。
カラダへの意識をもっていることは
自分のカラダへ感謝の気持ちを贈ることと同じです。
この先はもう、元の姿勢に戻ることは難しいでしょう。
これからは自分史の新時代です。
カラダ中に自分自身の気配を配るように丁寧に接して、「自分育て」頑張ってくださいね。
応援しております!